warm up to
2010年4月6日のUSA TODAY(電子版)の記事に以下の様な文があることを,今日も田邉祐司先生から教わりました。タイガーウッズのゴルフ界への復帰を伝えたものです。
Six hours before his press appearance, Woods hit the Augusta course as about 500 fans watched. They gradually warmed up to him in his first public on-course appearance of the year.
warm upと聞くと,準備運動の「ウォーミングアップ」(warm-up, warming-upともに可)という名詞句を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ただ,この場合は動詞で、それも自動詞のようです。他動詞風に解釈しても意味はとれません。そこで,『ジーニアス英和辞典』(大修館書店 第4版)で調べてみると,warm upには「<天候・人・部屋・エンジン>暖める,ウォーミングアップをする」といった意味の他に,warp (up) to [toward]人で「打ち解ける」という意味がありました。例の愛人騒動で、地に落ちたゴルフ界のプリンス。同時にTigerへの人々の尊敬の念も失墜していきました。そんな中での復帰戦。このwarm upは,直前のgraduallyと相まって,なんとも言えぬTigerへの観客(ちなみにマスターズでは観客をpatronと呼びます)の思いが徐々に,グリーン上で和んでいった様子をかもちだす役割を担っています。
日常の何気ない記事の何気ない語彙・表現にも意外な意味や用法があることを改めて実感させられました。(ゼミ生 camel & 小山本)