常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ゆすりとたかりの名人

先日,アメリ国務省のメア日本部長が「沖縄県民はゆすりとたかりの名人だ。」と沖縄県民を誹謗するような発言したことが問題になりました。全国の新聞,もちろん英字新聞もこの問題を取り上げ,日米関係の行く先を危惧しています。
DYでは,この「ゆすりとたかりの名人」のことをmasters of manipulation and extortionと表現していました。そこでmanipulationとextortion,両者の語源を調べてみました。
まずmanipulationですが,これはフランス語由来で18世紀初頭に生まれました。細かく分解していくとmani-は「手」,-pulは「満たす」,これで「手を使って何かをする」となり,manipul-は「化学器具を使う」という意味になります(『ジーニアス英和大辞典』大修館)。ちなみにこのmani-は「手」であるという意味は,以前田邉先生にmanualという単語を例に教えていただきました。
一方,extortionで16世紀初頭に生まれ,ラテン語のextortio(強要)由来です。ex-(外へ),-torで「ねじる」,そして-tionという名詞を作る接尾辞をつけて「金品などをねじり取ること」となります(同上)。
最近は前原外相の突然の辞任,メア日本部長の問題発言,日本の外交は一体どうなってしまうのでしょうか。(ゼミ生 persimmon柿生)