常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

gray

本日のDY(01/ 12/ 11付け)から興味深い英単語を紹介します。1面にはNo option other than consumption tax hikeの記事が取り上げられています。
From a medium- and long-term perspective, one of the major factors behind this country's floundering economy is the shrinking of the population as a result of the low birthrate and graying of society.
今回取り上げるのはgrayです。言うまでもなく「灰色の」の意味の単語ですが,今回はどうでしょうか。辞書で意味を確認しました。
「〈人が〉白髪になる」(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)
“v [I] if someone grays, their hair becomes gray” (LDOCE)
前後の文脈から日本の少子高齢化が続くため,消費税を引き上げるしかないというのが筆者の主張です。このgraying of societyは社会全体に白髪が生えてきて,国自体が老いてきていることを連想させます。またgrayという色には「《♦灰・曇天の空の色を連想させる語;日本語と同じくしばしばよくないイメージを暗示;老年・陰気・病気な青白さを示す;blackの遠回し表現としても用いられる》」という記述があるように,マイナスのイメージが付随します(同上)。
今も日本の少子高齢化は加速していきます。その影響は高齢者の年金や消費税,日本の経済活力にまで波及しています。はてさて政府はgraying of societyにどのように対応するのでしょうか。(ゼミ生 Shohei)