常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

catch-22

今日友人からいきなり「catch-22って知ってる?」と聞かれました。
私は聞き覚えがなかったのですがスポーツ用語ではないかと考えましたが,私の予想は外れました。
catch-22とは,辞書によると「どっちに転んでも勝算のない不合理な状況,板ばさみ」とありました(『ジーニアス英和辞典』第3版,大修館書店)。
では,なぜ「板ばさみの状態」をcatch-22と言うのでしょうか?
この言葉の由来は,アメリカの小説家Joseph Heller(1923-1999)の1961年に出版された同名小説です。catchは「落とし穴」で,22は「軍規第22項」を示しています。
物語の舞台は第二次世界大戦中のイタリア。主人公が所属するアメリカ空軍爆撃隊の軍規第22項は空爆任務の免除について書かれたものなのですが,「精神異常者は自ら申告すれば,空爆任務は免除されるが,自分で精神異常と分かるのであれば正常とみなされ免除されない」というもので,すなわち,任務を免れる方法はないということなのです。
例文として,I'm in a catch-22 situation.「お手上げ状態です」というのがあります(「英辞郎 on the WEB」)。
来週から試験が始まる人も多いと思いますが,"I'm in a catch-22 situation."と言ってしまわぬようにしっかりと準備しておかないといけませんね。明日はLbow-Shoulder君,お願いします。(ゼミ生 b.m.04:43)