常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

play it by ear

こんばんは,pearです。
私は田邉先生に教えていただいた辞書を愛でる勉強法が好きでよく辞書を眺めるのですが,今回面白い表現があったので紹介します。
『新英和中辞典』(第5版,研究社)にplay it by earという表現があり,最初にこれを見たときは「耳で何をするのだろう?」と思いましたが,play it by earで「《口語》臨機応変にやる」という意味になります。そこでもう少しくだけた言い方では「ぶっつけ本番で」といったものにも相当すると思います。
また,by earで「楽譜を見ずに,暗譜で」ともありました。「楽譜を見ない」というのはつまり,「何か事前に準備されたものに頼ることなく臨機応変にやる」ということになります。このようなことから,play it by earは音楽をもとにした表現であることがわかりますね。
実際に,The Asahi Shimbun(2010年6月28日付)の記事にもplay it by earが使われていました。
http://www.asahi.com/english/TKY201006270247.html
他にもearを用いた面白い表現としてはfall (down) about a person's ears「〈組織・新しい計画などが〉すっかりだめになる,完全に崩れる」やup to one's ears「《口語》〈恋愛・陰謀に〉熱中して[in]」,from ear to ear「口を大きく開けて」などがありました。(『新英和中辞典』同上)
私も今後何かあったときには臨機応変な対応ができるようにしたいものです。
明日はカメ女さんです。よろしくお願いします。(ゼミ生 pear