常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

butter (someone) up 復習

トーストにバターを塗ること、これは何を意味しているのでしょうか。

さて、本日のnote-taking クラスにて、教訓をテーマにした寓話として親しみのあるイソップ物語を観賞したのですが、Fox and crowのシーンでは、foxがcrowの口に挟んであるチーズを手に入れるべく、お世辞や巧みな言葉を用いて難なく目的を達成するという内容でした(「怪しげなごますりに対しては注意を払え」が教訓)。お世辞といえばflatterやcajoleなどが直ぐに思い浮かびますが、先生の方はさらにbutter upを類語として挙げられました。正直なところ、最初の時点ではbutterの動詞での使われ方がさっぱり分かりませんでした。以下で確認していきたいと思います。

『スーパーアンカー英和辞典』(第五版、学研プラス)を引くと、動詞で「バターを塗る、(上司・親・学校など権限を持つ立場の人)におべっかを使う(up)」とありました。

Cambridge Dictionaryでは、“to be very kind or friendly to someone or try to please someone, so that person will do what you want them to do.” となっています。flatterは一般的な「褒め言葉をダラダラと浴びせること」に対し、butter upは「自分の利益を計りつつ人に取り入ること」というニュアンスの違いがあるようです。

Thesaurus.comで再度類義を調べると、play up to, lay it on thickなどが記載されています。

まとめますと、butter upは「自らの利益のため、謀を伴った賛辞をおくること」であり、「パンにバターを塗る」という本来の意味は「トーストをバターで覆うように人を丸め込むこと」を示唆しているような印象を受けます。

以下はイソップ物語におけるfoxとcrowのシーンの解説が載ったサイトです。是非参考にして頂けたらと思います。

http://www.eastoftheweb.com/short-stories/UBooks/FoxCrow.shtml


butter up 復習 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

butter up - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から