常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

beyond one’s ken

自分が知らなかった単語や表現を書き留めてあるメモ帳から取り上げます。beyond one’s ken/ kén /です。ハリーポッターをホストファミリーと一緒に見ている時に書き留めた表現だったと記憶しています。そういえば書き留める(jot down)という表現をついさっきネブラスカ大にいるWREN君が取り上げていましたね。辞書でbeyond one’s kenを確認していきます。

ジーニアス英和辞典』第5版(大修館)にはbeyond one’s kenという形では載っていなかったのですが、kenの欄に「⦅やや古⦆知識(の範囲);認知、理解」との記載があり、例文としてbeyond his ken「彼の理解を超えて」とありました。

またOxford Dictionary of English (2th)でも同様にbeyond one’s kenという見出し語はありませんでしたが、kenの定義“one’s range of knowledge or understanding”と共に“Politics are beyond my understanding”をはじめとする、いくつもの例文が載っていました。そしてその例文すべてでbeyond someone’s kenの形が用いられていました。

LONGMAN Handy Learner’s DictionaryとCollins COUBUILD Advanced Learner’s Dictionary (8th)にはkenの項目のところにken自体の定義は載っておらず、初めから一つのフレーズとしての定義が記載されていました。

LONGMAN Handy Learner’s Dictionary/ ken: “beyond one’s ken outside one’s knowledge”

Collins COUBUILD Advanced Learner’s Dictionary (8th)/ken: “PHARASE if something is beyond your ken, you do not have enough knowledge to be able to understand it”

以上のことからkenという単語が単体で用いられることはまれで、ほとんどの場合beyondと共起し、beyond one’s kenで一つの成句として用いられるということがわかりました。[ko-chi @ Calgary]

cf. beyond description, beyond (a) doubt, beyond one’s means

beyond one's means 復習 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から