常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

dialogue 復習

北朝鮮と日本の対談は実現するのでしょうか。

Trump strongly urged Kim to hold talks with Japan, and Kim reportedly responded that he wanted to promote dialogue with Tokyo.

(以下省略)

http://www.asahi.com/ajw/articles/AJ201806140056.html

今回は「対話」について紹介したいと思います。
記事を読んでいてdialogue / ˈdaɪəlɒɡ / がありました。もちろん「対話」を意味していることは分かりましたが、同じような意味の英単語は多くあります。例えばdiscussion, debate, negotiation, conversationがあります。これらのニュアンスの違いが気になったので調べてみました。

まずはdialogueです。Oxford English Dictionaryには “A conversation between two or more people as a feature of book, play, or film.” と定義されていました。また、接頭辞に使われているdi-は「二重, 分離」といった意味があります。このことから立場の違う2人が目的を持って話すイメージです。「会話」よりも思考を重視します。

二つめはdiscussionです。 “The action or process of talking about something in order to reach a decision or to exchange ideas.” (OED) とありました。何かのテーマの解決策を出すために意見を投げあって打開するイメージです。また意見に正否を決める場では使われません。

三つめはdebateです。 “A formal discussion on a particular matter in a public meeting or legislative assembly, in which opposing arguments are put forward and which usually ends with a vote. ”(OED) とありました。つまり賛成と反対に分かれ、それぞれが論理を組み立て主張し合い、正しい結論を見極める議論という定義になります。

四つめはnegotiationです。「交渉」という意味ですが、定義はなんでしょうか。OEDでは “ Try to reach an agreement or compromise by discussion.” とありました。つまりdebateの意味の「正」か「反」を決めるのではなく、両者の意見を「合」に導く意味があります。

最後はconversationです。 “A talk, especially an informal one, between two or more people, in which news and ideas are exchanged.” (OED)と定義されていました。つまり、議論するとは違い、リラックスしてコミュニケーションをとるといったイメージです。

このことから、それぞれに異なったニュアンスがあることがわかります。また今回取り上げた記事ではdialogueが適していると確認することができました。(amphibian)