常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

fat city

映画『FAT CITY』(ゴングなき戦い)のから取り上げます。アメリカのボクシング映画として名画の一つとされているこの映画。ロッキーに始まりボクシング映画は迫力がありますし、おまけに観た後には強くなった気分にもなれます。

原題と邦題のあまりの違いに驚き、それについて調べていたら面白い表現が出てきました。この“FAT CITY”にはイディオムとしての意味があります。直訳では太った街となりますがそこから転じて「太りすぎてみっともない状態/快適で裕福な素晴らしい暮らし向き・環境・状態」という意味がありました。

この映画の原作の著者は小説のタイトルについて「私の小説のタイトルについては多くの方々が質問を下さっています。"Fat City“というのは黒人社会の俗語なんです。"Fat City"へ行きたいもんだ、と言えば 楽な暮らし向きがしたい、という意味なんです。サンフランシスコの展示会で或る一軒の家の写真を見てこのタイトルが浮かんだのです。その家の壁には "Fat City" という文字がチョークで殴り書きしてありました。私の本のタイトルはあてこすりなんです。"Fat City" は 誰も決して到達することのできない無茶苦茶で途方もない目標のことなんです。」

https://blogs.yahoo.co.jp/spitzenleiter/55624990.html) と綴っているそうです。映画のタイトルにも面白いフレーズが隠れているのだなと感心しました。