常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

That’s the way the cookie crumbles.

本日の裏ゼミ中に触れたthat’s the way the cookie crumblesの成り立ちを掘り下げていきたいと思います。
UG先生は上記の表現を That’s the way it is.と言い換えておられましたが、the cookie crumblesにはどのようなニュアンスがあるのでしょうか。まず、cookie /ˈkʊki/ を『スーパーアンカー英和辞典』(第五版、学研プラス)で引いたところ、一般的な訳である「クッキー」とthat’s the way the cookie crumbles「クッキーとはそういうふうにこわれるもの、世の中とはそんなものさ」が共に表記されていました。同様に、crumble /ˈkrʌmb(ə)l/ ついては「(壁やクッキー)がぼろぼろに崩れる、(石)砕ける(away)、(比喩的に)(組織や希望)が駄目になる、崩れる」とあり、cookieと共起される単語だと思われます。クッキーが崩れる様子、それは何ら特殊な現象ではなく普遍的な事象であるということを暗示しているため、「そういうものだ、それが現実だ」との訳出がなされるのも納得です(that explains)。
定義についてCambridge Dictionaryで調べると、“when something slightly unlucky has happened that could not have been prevented and so must be accepted” と記されていました。相手に慰めの意を示す時に用いるのが適切であるかと思います。(broccoli)
cf. That’s The Way It Is (1999, Celine Dion)