常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

守破離

謹賀新年。本年も素晴らしい年になりますように。(いや、そうしてください!)


年賀状、メール、ありがとう。一人ひとりにきちんと返信をする余裕はないので、これで勘弁してください。


年末にTVをながめていたら、ある番組でLAにあるSHUHARIという抹茶専門のカフェが取り上げられていました。アメリカでは抹茶ブームが依然、続いているそうです(このブームについては、一昨年の「NHKビジネス英語入門」のエッセイで取り上げました)。


番組内容についてはコロッと忘れてしまいましたが、店名だけは印象的だったので残りました。これは日本の茶道、剣道、弓道、さらには芸道でもよく用いられる学びの段階を表す「守破離」からのものだと思い(ここは茶道 オリジネーターはあの千利休とされる)、早速、検索してみました。

https://shuharicafe.com/about-us/


Located on Abbot Kinney, SHUHARI Matcha Café is an authentic Japanese green tea café bringing an expertly curated selection of Japan's finest green teas to your cup. We import fresh tea directly from Japan and ship out to you. Our experience isn't just about the classics, but also about reinterpreting green tea traditions. Our full line-up of green tea concoctions will give you a taste of what Japanese green tea was and what it will become.

HPには店名の由来が述べられてあり、英語による簡単な説明もありました。


SHU (守):
To savor centuries of tradition


HA (破):
To shake things up, break the rules


RI (離):
To achieve independence and a new sense of creativity


As our name suggests, we embrace the rich history of Japanese green tea, but we are not rooted in the past. We balance the beauty of the Japanese tea ceremony with the energy of modern life. Through this marriage of the old and the new we strive to push the boundaries of green tea enjoyment. 


年頭に当たり、日本の「道」にかかわるこの「守破離」という表現を君たちに送ります。


みんなの英語学習段階はどうでしょうか。希望としては、卒業生は「離」の段階のはずですが、自分の英語、my own Englishは見えているのでしょうか。3年生(すぐに4年生)は「破」の段階ですかね。でも現実には「守」も満足に終わらずに、「破」へとは進めない者が多くなったような気もしています...。


君たちの先輩のなかには「離」の段階に到達した者が数名いたのですが、それはコンスタントな学習姿勢を身につけ、実行に移すことができた胆力がある人だけだったように思います。


日本では「生きるための手段」ではないこの言葉に関する運用能力を「破」の段階へと持ち上げるのには、並大抵のことではないのです。あこがれの思いを継続し、それを日々の実践のなかで続ける。ただ、それだけのことです。でも「それだけ」が...。


耳の痛い激励はここまで。2018年もおじいさんはみんなの段階を唯々、見守るばかりです。(UG)


守破離
剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。


https://kotobank.jp/word/守破離-689006


cf. http://www.eonet.ne.jp/~sekikoumuten/columnsyuhari.html