常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

in full force 復習

 中部空港に来年オープンする複合商業施設「フライトオブドリームズ」に展示されるボーイング787初号機が駐機場から商業施設の建物内に運び入れられました。昼間に一般道を飛行機が横断するのは国内初のことで、多くの航空ファンが集まりました。

Plane buffs out in full force to see Boeing 787 towed at airport

TOKONAME, Aichi Prefecture--The Boeing 787 Dreamliner passenger jet was inched along at Chubu Airport here so 3,500 excited aviation fans could catch a glimpse of it.

The aircraft was towed Dec. 17 for about 900 meters over two and a half hours from the tarmac to the commercial complex Flight of Dreams, which is scheduled to open next summer at the airport.

以下省略

http://www.asahi.com/ajw/articles/AJ201712180028.html

 見出しにある“in full force”を取り上げます。「英辞郎 on the WEB」で検索したところ、「全力を挙げて、総勢で、大挙して」とありました。『ウィズダム英和辞典』には“in force”の形で載っており、「〈人が〉大挙して」と訳がありました。“in full force”の“full”は強調の役割を果たしているのだと思います。また、この表現をLDOCEでも引いてみたところ、“in a large group, especially in order to protest about something”と定義されていました。英語の定義を読むとわかりますが、抗議のために集まることを表現する際にしばしば用いられるようです。今回はそのようなニュアンスは含まれておらず、ただ単に「大挙して」という意味で使用されています。ちなみに、“in force”の第1義には「〈法律が〉施行されて、有効で」という語義が載っていました(『ウィズダム英和辞典』)。この場合、“force”は「(法律・規則の)効力」という意味でつかわれています。一方で、「大挙して」という意味で用いられる場合、“force”は「集団、一団」という意味で用いられています。(Blue Sky)