常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

fiendishly


 クリスマスの逸品に「ディアブル風チキン」の簡単レシピが紹介されています。

OISHII / Fiendishly simple alternative to a Christmas roast

Chicken a la Diable

In this column, chefs and cooking experts share recipes that are easy to prepare at home.

The increasing number of illuminations appearing on the streets are a clear reminder that Christmas is approaching.

以下省略

http://the-japan-news.com/news/article/0004085709

 取り上げる語は fiendishly / fiːndɪʃlɪ / です。タイトルより, 「シンプル」の度合いが気になり, 『リーダーズ英和中辞典』(研究社)を引くと, 第一に「悪魔のような, 極悪な」とありました。ここから口語で「ひどい」という程度を表し, 「ひどくむずかしい」のように用いられます。

 続いてMerriam-Webster.comには “extremely cruel or wicked” と定義されていました。そこで “wicked” の用法を確認したところ, 同じく「邪悪な」の意を示すほか, 「<口>すごい」というニュアンスを併せ持つことがわかりました(同英和辞典)。

 さらにフランス語で “diable” は「悪魔」を指し, “à la diable” では「大急ぎで, ぞんざいに」といった状態を意味します(『プチ・ロワイヤル仏和辞典』旺文社)。つまり, 調理が非常に簡単でディアブル風のレシピであるということに因み, このように表現されたと考えられます。(Cayu)