常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

vis-à-vis 復習

 イラン政府は、新型の中距離弾道ミサイルの発射に成功したと発表しました。アメリカのトランプ大統領に牽制の姿勢をみせることが狙いと窺えます。

Iran says it has successfully tested a new-medium range missile, in defiance of US President Donald Trump.

The launch of the Khoramshahr missile, which has a range of 2,000 km (1,242 miles), was shown on state TV. It is unclear when the test took place.

At the UN on Tuesday, Mr Trump criticized Iran's missile program me and the 2015 nuclear deal with the country.

On Friday, Iranian President Hassan Rouhani said Iran would increase its military power "as a deterrent".
(中略)
The Trump administration is due to announce the details of its strategy vis-a-vis Iran around the end of September.
I saw this on the BBC and thought you should see it:

Iran tests missile despite Trump pressure - http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-41371309

 今回取り上げるフレーズは、“vis-à-vis” です。辞書を引いたのですが適当な意味が出てこなかったためネットの和訳サイトをみてみると、「〜に対抗して、〜に関して」という意があるとわかりました。

http://ejje.weblio.jp/content/vis-a-vis

 “vis” はラテン語で「見ること」を意味する “videre” が語源とされています。また、このフレーズは英語ではなくもともとフランス語であることがわかりました。フランス語で「〜対して、向かい合って」という意味で使われていて、その後英語だけでなく,ドイツ語でもフランス語と同じ意義として口語的表現で用いられるようになったとされています。他にも “de facto” や、“per se” のように、もともと英語でない他国の言語が英文の中で頻繁に使用されるフレーズが存在しています。
 アメリカのトランプ大統領が今週、国連会議の場でイラン政府に対し厳しく批判したことでイラン側もヘイトスピーチだとトランプ氏を非難するなど、イランと特にアメリカの間で緊張が高まっていた中でミサイルが発射されました。これによりアメリカ側のイラン側に対しての追加経済制裁は必然的に行われることでしょう。(Hapidra)