常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Jihad 復習

  イラク軍の関係者はBBCの取材に応じ、イラク・アンバールで勤務する警官やイスラムスンナ派の部隊が同国アナ地域に移ったことを、明かしました。

A military source told the BBC that soldiers, Anbar provincial police and Sunni Arab tribal fighters began moving on the town of Ana on Tuesday morning.

Their progress was slowed initially by dozens of booby-traps, the source said.

Ana, 90km (55 miles) from the Syrian border, is one of three Iraqi towns in the Euphrates river valley held by IS.

The jihadist group still controls large parts of the valley in the neigh bouring Syrian province of Deiral- Zour, but it is under pressure therefrom Syrian pro-government forces and a US-backed alliance of Kurdish and Arab fighters.

http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-4131
http://ejje.weblio.jp/content/jihadist

 今回取り上げたい単語は、“jihad” /dʒəˈhæd/ です。手元の辞書には訳が載っていなかったため,ネットをみると「ジハード主義」とありました。「ジハード」とは、イスラム教徒が行う義務のことでイスラム教徒としてできる努力や奮闘、慈善活動のことを指しているそうです。また、もともと「ある目標をめざした奮闘、努力」というニュアンスを持つ “jahada” がその語源とされています。
 しかし近年では、上途の意味で使われておらずイスラム主義者を標的としてテロといった非人道的手段で世界に脅威を与える恐れのある思想を抱いたり、行為を行う団体や組織のことを「(サラフィー)ジハード主義」と呼ぶそうです。(日本の報道機関は、「ジハード主義者」のことを「イスラム過激派」と呼称しています。)
 さらにアメリカの同時多発テロが発生した以降、「ジハード主義」を遵守している組織は、標的をイスラム主義者だけにとどまらず世界中を標榜にしている模様で、多くの国と地域でテロを画策し断行しています。その結果として世界中がテロの脅威に晒されているというのです。
 最初は「神様のため、世のため」としていたことがそれを動機にして非人道的な行為も正当化する流れから本来の “jihad” と意味が遠くなってしまったのでしょう。(Hapidra)