常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

steal one’s thunder #4

 アメリカではハリケーン、日本では台風と悪天候が続いていたのでお天気に関する語を調べていたところ、“steal one’s thunder”という表現を見つけたので取り上げたいと思います。
 LDOCEを見ると“to get the success and praise someone else should have got, by doing what they had intended to do”と定義されており、“steal”が付いていることからわかるように「人からアイディアなどを奪う」といった意味があることがわかりました。
 なぜ“thunder”があるのか疑問に思い『ブルーワー英語故事成語大辞典』(大修館)を開くと、ジョン・デニスという17世紀の批評家・劇作家のアイディアである、舞台上で雷を鳴らせる演出を他の舞台で使われてしまったことに由来するそうです。現代の舞台演出では技術が進歩して雷の音も光も簡単に出すことができますが、当時この画期的なアイディアを盗まれたのはなんとも言えない悔しさがあったに違いありません。自分の雷が『マクベス』の公演で使われていると聞いたベニスは「あいつら悪党は私の脚本ではなく、私の雷を上映するつもりだ」と叫んだそうです。(flying bird)

steal one's thunder - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

steal someone's thunder - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

steals sb's thunder #2 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から