常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

denounce 復習

 ミャンマー政府は、イスラム少数民族ロヒンギャ族の迫害をアメリカ政府が行っていることに非難する声明を出した。

Myanmar has denounced the suggestion by the UN human rights chief that its treatment of RohingyaMuslims amounts to "ethnic cleansing".

The country's envoy to the UN blamed Rohingya insurgents for the violence in Rakhine state, saying that Myanmar would never tolerate such atrocities.

Some 370,000 Rohingyas have crossed the border to Bangladesh since the situation escalated last month.
I saw this on the BBC and thought you should see it:

http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-41248029

 今回取り上げたいのは、“denounced” /dɪnάuns/です。『ジーニアス英和辞典』によると「(正式に)強く非難する、(公然と攻撃し)弾劾する」といった意味があるといえます。また、英英辞典をみると “to criticize something or someone strongly and publicly”と説明がされていて何かに対し公衆の面前で批判をする様を表しているとわかります。
 さらに、この単語はラテン語で「知らせる」という意義のある “nuntiare” から派生した“nounce”に 、「はっきり、強く」というニュアンスのある接頭辞 “de” が組み合わせって成り立った単語であるということがわかりました。
 他にも会話などで使われる「非難する、抗議する」という単語はありますが、“denounce” とそれらは区別して使用した方が望ましいと窺えます。例えば “blame” の定義を英英辞典でみると、“to say or think that someone or something did something wrong or is responsible for something bad happening” とあるように批判の手法が一個人が考えたり発言するにとどまっています。また 同義語の“criticize” の説明は、“to express disapproval of someone or something” とありました。これからも、一個人や一対象に対してよく思わない姿勢を見せているにすぎないとわかるでしょう。
 では“denounce” はどうでしょう。何かに対してマイナスの意見を与えることは、与える方に負荷がかかります。それだけでなく表立って公表することでそれに対するたくさんの賛否がその人に真正面に向かってくることがあるかもしれません。しかしそうなることを折り込み済みで批判することは自分の身を投げ打ってでも、自分より深刻で重大な事象や状況に対して非難の姿勢を表していると察することができます。したがって “denounce” は批判を公衆の面前で行っているということがポイントだとわかります。
 迫害はどんな政治的意図や策略があった上で主導されたとしても、人道的、道徳的に考えて外れた行為であるため絶対に行われてはいけないと思います。(Hapidra)

http://ejje.weblio.jp/content/denounce