常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ram through 復習

国会最大の焦点となっている環太平洋経済連携協定(TPP)承認案・関連法案は,4日午後の衆院TPP特別委員会で,与党と日本維新の会の賛成多数で,可決されました。野党は,強行採決であるとの声が多く,廃案を目指して徹底抗戦する構えだそうです。

このニュースを聞いて,「強行採決」を英語で何というのだろうか気になり,それについて取り上げます。様々な表現方法があると思いますが,記事を調べてみると,二つの表現を発見しました。一つ目は,“ram through”です。下記のように記事の見出しで用いられていました。

Ruling bloc rams TPP bill through committee

http://www.japantimes.co.jp/news/2016/11/04/national/politics-diplomacy/ruling-bloc-rams-tpp-bill-committee/#.WByMAIVOLAo

これは,「〈法案など〉を〔議会などで〕強引に通す」という意味があります(『ジーニアス英和辞典』大修館書店)。

二つ目は,“push through”です。これも“through”と共起し,意味は,「〈議案・提案など〉を(強引に)通過させる」です(同上)。表現が使用されている見出しは,下記にあります。

Japan's ruling parties push TPP through committee after opposition walkout

http://asia.nikkei.com/Politics-Economy/Policy-Politics/Japan-s-ruling-parties-push-TPP-through-committee-after-opposition-walkout

どちらも「強引に通過させる,通す」という意味があり,強行採決を表すのにしっくりくるなと感じました。強行採決で国会が混乱していますが,今後どのようになっていくのでしょか,気になります。(Nao)

cf.
ram into 復習 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から