常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

liquefaction 復習

NHKの地方情報番組「特報首都圏」(2016年2月19日放送分)を見ました。この回では,東日本大震災で浮き彫りになった地震に対する備えにおける課題について話し合われていました。具体的には,1. (地震発生時)無暗に現場(例えば駅構内,会社の建物など)移動しないこと2. 避難場所の把握をしておくこと3. 家の地震対策を家の中から家の真下まで対策をしておくことが挙げられました。私も今住んでいる家に住むか,違う家を構えるか分かりませんが,自身に対する備えは,将来への投資と考えてしていきたいです。
放送中に「液状化」という用語が出て参りました。地震対策が発生時に対する備えとして,「液状化」への対策は万全にしておきたいところですが,その地域全体に対してまとめて行わなければならないため,莫大な費用がかかってしまうということでした。そのため,対策があまり進んでいないということでした。千葉県浦安市などは,対策を進めているということでしたが,市によってまちまち,住民によってもまちまちということのようでした。話は変わりますが,この「液状化」という用語をどう英訳するか気になって次第です。
『スーパーアンカー英和辞典』第3版(学研教育出版)には,liquefaction,「液状化現象」は(the phenomenon) of liquefactionとありました。『リーダーズ英和辞典』第3版(研究社)には,「液化,溶解;⦅地震などによる,埋め立て地などの⦆液状化現象;液性」(“technical the act of making something a liquid or of becoming a liquid”-- LDOCE5)とあり,「液状化現象」に対する語だけでないことが分かります。同英和辞典の用例として,“liquefaction of coal”(石炭溶解)とありました。『英語語源辞典』(研究社)によりますと,liqueの部分はliquidと同じく「液体」を,-factionの部分は.「-fyで終わる動詞に対応する名詞を造る連結系」で,「液体にすること」→(この場合は)「液状化」となります。おおもとのliquefyは1425年に「(固体を・気体を)液体にする」という意味で使われ始めたとありますが,まだこの説が本当かどうかは解明されていないようでした。(Kawada)

用例です。NZの地震後の液状化の被害が出た地域のニュースからです。

Liquefaction sludge bubbles into house Christchurch earthquake
Out of nowhere, the shaking started and Diane Mawhinney ran outside her already earthquake-shattered Christchurch home.
She yelled at her three kids to follow.
The ground soon lay flat again.
But then the familiar grey silt started flowing down Linkwater Way's freshly laid black asphalt.
http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=11590057
http://www.nhk.or.jp/tokuho/program/160219.html