常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

"flexicurity"

録画しておいたBS1スペシャル「人間の仕事の未来を再検討」を見ました。

この番組では,1月にNHK世界経済フォーラム(通称ダボス会議)にて開催したディスカッションが放送され,「未来の私達の仕事のあり方」に関して,熱い議論が交わされていました。近い将来,現在人間が行なっている仕事の一部が,全自動化されるようです。具体的には,考えなくてもできる仕事,交渉事が絡まない仕事が例です。しかし,全自動化には,まだまだ課題があるようです。強調されていたのは,「技術の変化に対応する能力」です。その会議でのディスカッションで話題に挙がった言葉がflexicurityでした。この語を,番組を見ていて初めて知った次第です。

番組によると,デンマークで生み出された制度であり,「企業の雇用主は,従業員をいつでも雇用したり解雇したりでき,失業した人には失業保障として失業給付金が受けられ,再就職に向けた教育も受けることができる」というものです。番組とデンマークの国のサイトによると,この語は昔からある語ではなく,flexibleとsecurityを合わせた造語だということです。

考えてみれば,これはデンマークだから成功したのであって,日本では無理だと思いました。ただでさえ生活が苦しい人たちがいるのに,その人々に拍車をかけることができないですし,今の時点で政府が税率を引き上げれば,政府は国民からの批判を浴びるからです。ですが,それを払うことによって,にリストラなどでの失業者の多くが,これにより救済されるという皮肉があります。(Kawada)

FLEXICURITY
When people talk about the Danish labour market they often use the term “flexicurity” to describe the model which is successfully managing the challenges of globalisation and securing steady economic growth and employment.
Studies show that Danes are positive about globalisation and do not fear losing their jobs. Rather they seek opportunities for new and better jobs. This is partly ascribed to the flexicurity model which promotes adaptability of employees and enterprises.

http://denmark.dk/en/society/welfare/flexicurity/

http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/trailer.html?i=03626