No fear
「名探偵ポワロ」の「コーンワルの毒殺事件」という話から表現を拾います。冒頭,エルキュールポワロ探偵事務所のポワロの部屋にて,ポワロの助手のヘイスティングスが何やら息を吸ったり吐いたりしています。ポワロの推理によると,彼がよく行くレストランで食べているインド料理が,彼の膵臓に負担がかかっているということでした。話していると,秘書のミスレモンが入ってきて,ハーブティーをポワロのために入れて来ました。今回は,そこから表現を拾います。
Ms. Lemon: Your tisane, Mr. Poirot.
Poirot: Thank you, Ms. Lemon. This is what you need Hastings.
Hastings: No, fear! I’ve tasted it.
ここのNo, fearは『オーレックス英和辞典』第2版(旺文社)によると,No fear!「⦅英⦆絶対にお断り;とんでもない(♥依頼・勧誘・提案などに対する拒絶を表すくだけた表現. しばしばおどけて用いる→No, certainly not!)」 (“certailnly not”— Cambridge Dictionaries Online)とあります。
tisaneは「チザン液《カミツレなど薬草を乾燥させたまたは摘みたての葉や花を煎じたハーブティ》」(Weblio)で,ポワロは「君も飲みなさい」とヘイスティングスにすすめています。でもはヘイスティングスはやんわりと断ったわけです。イギリスのドラマなので,このような表現が用いられているのかと考えました。(Kawada)