常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

cut it 復習

より快適な飛行機旅が期待できそうです。パナソニックは,13型の4Kシートモニターをエコノミークラスにビジネスクラスに24型を導入するそうです。

Pretty much everything about flying stinks, including those dinky little screens that airlines glue to the back of the seat in front of you.

In today's world of tablets with HD displays, phones with giant screens and PCs with beautiful touchscreens, the video displays on planes don't really cut it anymore.

http://money.cnn.com/2016/01/07/technology/ces-2016-panasonic-airplane-seat/index.html?iid=obnetwork

取り上げる表現は“cut it”です。ポイントは,“cut”の使い方です。“cut”というと,動詞「切る」や名詞の「切り傷」などを思い浮かべますが,ここは違う用法です。

cut(動) には多く場合, itを目的語にとり,「〔主に否定文で〕要求を満たす、満足できる」(『ジーニアス英和辞典』大修館書店)という用法があります。今回は、“not really ~ anymore”という形で用いられることで,「乗客は(それでは)もうまったく満足しない」となるのではないでしょうか。

なぜ、このような意味になるのか調べてみると、online辞書であるKnow Your Phraseには、“meeting a set standard”「設定基準を満たす」とあり、ここから転じて、「満足できる」になったとありました。同じような意味のフレーズには、“cut the mustard”「(要求)基準に達する、期待にそう」があります。(Nao)

http://www.knowyourphrase.com

cut it - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から