常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

英語教育ワークショップ 感想

本日、明治学院大学で行われた、明治学院大学英文学科卒業生英語教員の会に参加致しました。プログラムは主に、大きく分けて二つ、松岡敬明教授による講演、次いで、UG先生含む三人の教授方毎の三グループに分かれるワークショップから成り、その内容は教育に関して全くの無知である私にも十分に分かりやすいもので、新鮮な気持ちで楽しみながら学ぶことができました。

講演では、教育改革の動向を始めに、これからの英語教育、そして教員育成のあり方について話されました。松岡教授は行政方面に携わられていたという事もあり、特に第二次安倍内閣発足以来、いかにして行政と英語教育が関わってきたかを説明なされました。その具体的な内容については、他のゼミ生が一様に書いている事でしょう、ここでは割愛させていただきます。

講演後には質問セッションが設けられており、その中で現役の教員の方々が質問をされていました。実際に教鞭をとられている方々は常々諸問題を肌で感じておられるようで、質問の内容もそれに関するものが多かったと記憶しています。その中で、日本人の国民性を考えると、新指導要領、アクティブラーニングや討論・議論を推し進めるのは難しいのでは、という旨の質問をされた方がいました。周りと違う事、突出するのを避けがちとされる我々日本人の持つ普遍的性質を考慮すると、浸透させるのはとても一筋縄ではいかないのかな、感じます。また、仮に十分に浸透したとします。これは日本人として、ある種アイデンティティの喪失とも解釈する事もできるのでは、あるいは、これはこの方針の教育がどうしても肌に合わない生徒が授業から脱落するのを促してしまうのではなどと、問題を提起される方も少なからずおられるでしょう。また、現場との摩擦が生じることも想像に難くありません。こういった問題は教育改革における問題のほんの一角に過ぎないのだと思います。それを鑑みると、教育改革を成し遂げるにはどれほどの時間と労力を要するのか、私にはとても想像もできません。確かな事は、我が国の英語教育は大きな転換点を迎えようとしているという事です。その変化の可否を大きく左右する役割を担う私たちの世代の、これからの姿勢がいかに重要か、その事を改めて自覚し、身が引き締まる思いが致しました。

本日は大変充実した一日にとなりました。最後になりますが、明治学院大学の皆さま、先生方、そしてUG先生、本日は大変貴重な機会を頂きありがとうございました。(あいづ)