常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

sing a chord

映画「天使にラブ・ソングを…」から取り上げます。
修道院の音楽室にて、初めてデロリスが聖歌隊の指揮を務めてみます。すると、先ほどまでうまくいかなかったにも関わらず、少しだけハモることが出来ました。そのシーンからです。

Mary Patrick:Oh, we did it. We actually sang a chord.
Sister: That was exciting.
Deloris: Yeah, you sang a chord for two seconds. The next thing you have to learn how to do is listen to each other. That’s a big key. Big key. You must listen to each other if you’re going to be a group.
Sister Lazarus: I knew that.

今回は“sing a chord”を取り上げます。聖歌隊の練習場面からなので、歌に関する表現であることは明らかかもしれませんが、まず“chord”を調べてみると「和音、コード」(『ジーニアス英和辞典第四版』大修館書店)、“a combination of several musical notes that are played at the same time and sound pleasant together”(LDOCE)とありました。“chord”を使った表現として“strike [touch] a chord with O”「…の共感を得る,琴線にふれる」(G4)、“to do or say something that people feel is familiar or true”はヒットしたのですが、“sing a chord”は見つかりませんでした。映画の吹き替えを聞いてみると、「ハモる」と訳されていましたので、今回の表現は「ハモる」という意味があると考えました。そもそも「ハモる」とは「ハモるとは「和声」「調和」を意味するハーモニー(harmony)に動詞化させる接尾辞『る』をつけたもので、合唱する・ハーモニーを作る・復旋律(コーラス)パートを歌うといった意味で使用。1950年代には使われていたハモるだが、特にカラオケブームの際に広く浸透。後に人間関係など、音楽以外で調和をとることもハモると言うようになる」(日本語俗語辞書)という意味があります。“harmonize”や、“be in harmony”という表現もある中、今回の表現も学びました。(Green)

Strike a chord withの記事です。
http://d.hatena.ne.jp/A30/20120409/1333945804