常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

英語教育史学会 感想

昨日は、英語教育史学会に参加させていただきました。以下に感想を述べさせていただきます。発表は2つでした。UG先生が自らのご経験を踏まえて「なぜ自分が音声教育史を研究するに至ったのか」というテーマで入門講座に登壇され、K先生、O先生は、5文型というテーマにおいて独自の主張を展開し、発表されていました。
初めのUG先生の入門講座では、「なぜ音声教育史?」、音声教育史研究のBig Picture、そして「音声教育史研究と現在」という3つの軸で進められました。先生は、「なぜ音声教育史?」というところで、公立高校から始まり、大学院、予備校、通訳学校での勤務経験、音声学との出会い、史料、基本図書との出会いから教育の歴史という世界に惹かれていった経験を話してくださいました。そして、その分野で明らかになっていることを簡単に示され、そして、今の英語教育の現状についても触れられました。先生の「なぜこの分野を研究しているのか」ということを語られることで、講座を聞かれた皆さんに、何らかのきっかけを作れたのではないかと感じました。私も将来、このような手法で、人々の心を動かすようなプレゼンテーションをしようと考えた次第です。
続いてのK先生とO先生の講演はでは、K先生は、ご自身の研究から発表され、O先生は、教育学という観点からの「5文型」というテーマで発表をされました。O先生は、自らの学習者としての視点、大学教員としての視点から、このような研究をされたということでした。その内容は「5文型」がどの点から見ても覚えられる形ではなく、辞書的な動詞の定義の仕方とこんがらがってしまうということでした。海外の文献も、それにするものはなく、パターン化しているものではないということが、このご講演で分かりました。O先生は、「生徒達の覚え方に合わせて、多く使われるものを落とし込んでパターン化した」という説を唱えておられました。私は今まで、「5文型」は、なぜあの形なのかと疑問に思っておりましたが、疑問を解く手がかりができた気が致しました。
最後になりましたが、ご登壇下さった、UG先生、K先生、O先生、ありがとうございました。(Kawada)