常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

chop 復習

ラグビーW杯イングランド大会は、31日に行われた決勝戦ニュージーランドがオーストラリアを下し、史上初の大会連覇を達成、3度目の優勝を飾りました。試合はニュージーランドが押す展開が続き、後半開始直後の時点で18点差にまで広がりました。しかしその後、オーストラリアの反撃により4点差にまで詰め寄られる展開となりましたが、カーター選手の活躍もあり、オールブラックスラグビー界の歴史に新たな1ページを刻むこととなりました。
Having seen a 21-3 lead chopped to 21-17, Carter -- as he did in the semifinal win against South Africa -- kicked a vital drop-goal with 10 minutes to go that helped stem the tide of yellow and gold attacks. He then kicked a long-range penalty from just inside his own half to ease the beating hearts of All Blacks fans.

http://edition.cnn.com/2015/10/31/sport/rugby-world-cup-final-new-zealand-australia/index.html

今回取り上げるのは”chop”です。
“chop”には「たたき切る、切り刻む」という意味や「<費用・予算など>を削る」という意味があります。英英辞典を見てみると、”chop to something”には”(informal) to reduce something by a large amount”(Oxford Learner’s Dictionaries)という定義が載っており、例文は金銭に関連した文となっていました。記事の内容にぴったりとあてはまる意味は見つかりませんでしたが、ここでは「削る」に近い「点差が縮まる」という意味で使われていると思われます。

実は、引用した文章より前に”Two minutes after the break, their advantage against Australia was 18 points. Just 20 minutes later, it was cut to four……”という文章があり、点差についての言及はすでに出てきています。このときに”it was cut to…”と”cut”を使って表現していますので、二度目の言及では”chop”を使って強調しているのではないかと思います。(bookmark)