常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

bulkhead

520人が犠牲となった日航ジャンボ墜落事故から昨日で30年が経ち、追悼慰霊式が営まれました。慰霊登山に訪れた遺族は過去最多の106家族406人であったそうです。

Two years after the crash, air accident investigators concluded that the rear pressure bulkhead tore apart during the flight, making the plane uncontrollable.
http://newsonjapan.com/html/newsdesk/article/113357.php

事故原因について言及されている箇所の”bulkhead”を取り上げます。『ジーニアス英和辞典第4版(大修館書店)』によると、「(船内の)隔壁、仕切り;(飛行機・列車内の)仕切り」という意味があることが分かりました。LDOCEには” a wall which divides the structure of a ship or aircraft into separate parts”という定義がありました。

「仕切り」だけではよく分からないのでもう少し調べてみます。日航ジャンボ墜落事故の原因は機内の気圧を一定に保つための圧力隔壁が壊れたことにあるらしく、記事の”the rear pressure bulkhead”は「後部圧力隔壁」と訳すことができます。その隔壁の具体的な役割ですが、高高度を飛ぶ航空機で、搭乗者を保護するために機内の圧力を外の圧力より高めることを「与圧」”pressurization”と呼びます。その与圧区域と非与圧区域の前後を隔てるために機体後方についている設備のことを「圧力隔壁」”pressure bulkhead”と呼ぶそうです。

日本語でも機内の隔壁(エコノミークラスとビジネスクラスを隔てるための仕切りなど)のことを「バルクヘッド」と呼ぶそうで、日本語の場合は一般的に「バルクヘッド」といえばその意味になるようです。(bookmark)