常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

日本英語教育史学会 第254回 研究例会

日時:2015年9月27日(日)13:00〜17:00
   ※研究例会に先立ち,13:00より英語教育史入門セミナーを開催します。
場所:サテライトキャンパスひろしま広島県民文化センター)
    5階 504中講義室
    広島市中区大手町1-5-3 TEL: 082-251-3131
参加費: 無料

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プログラム:
受付 13:00
13:10-13:50 <英語教育史入門セミナー(3)>
「明治時代の教科書ガイド:独案内研究の面白さ」
 馬本 勉(県立広島大学

 明治期に「独案内」と呼ばれる独習書が多数出版されました。発音,語彙,文法,和訳など,学習者が必要とする情報満載の,いわば「教科書ガイド」。当時の英語学習法を知る手がかりとして集め始めた「独案内」の数々を紹介し,その魅力と謎に迫りたいと思います。

<休憩>

14:00-15:00 <資料紹介>
「広島高等師範学校教授・杉森此馬のイギリス留学:明治37年の日記から」
 安部規子(久留米工業高等専門学校

 杉森此馬は、広島高師初代英語教授として日本の英語教育に大きな貢献をした人物であり、中でもその音声学の知識はオックスフォード大学でHenry Sweetの講義を受けたことで深められたとされています。本年3月に杉森此馬の遺品が故郷である福岡県柳川市の柳川古文書館に寄贈されました。今回の「資料紹介」では、遺品の中のイギリス留学中の日記から、特にオックスフォード滞在中の日々を中心にご紹介します。

<休憩>

15:15-16:45 <自著を語る>
「英語教育と戦争教材:江利川春雄著『英語教科書は<戦争>を
 どう教えてきたか』を素材に」
提案者:江利川春雄(和歌山大学
指定討論者:藤本文昭(横浜翠陵中学・高等学校)

 敗戦70年の節目の年に、広義の<戦争>と英語教育との関係を考えたい。約30年をかけて集めた供給本などの検定・国定教科書を主な素材に、西洋列強との関係を踏まえつつ、日清・日露戦争、植民地領有、第一次大戦アジア・太平洋戦争などがどう描かれたかを通史的に考察する。本文を読み解きながら、込められた教育目的と時代相を批判的に検討し、「墨ぬり」による戦後処理の問題点や今日的な教訓も議論したい。(江利川)
 指定討論者からは,戦後の英語教育でのリーダー(読本)の戦争・平和教材を研究してきた立場から,それらの比較などを通じた疑問や論点を提示し,議論を深めていきたい。(藤本)

問合先: 県立広島大学 馬本 勉(umamoto@pu-hiroshima.ac.jp)
http://eigaku.net/