常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

wind-cured

サケの季節がやって参りました。

Wind-cured fish

Salted salmon hang in the cold wind on Thursday at a workshop of a fish shop in Otsuchi on the coast of Iwate Prefecture. The area is known for Honshu’s highest catch of the fish, a traditional gift during the year-end and New Year holiday season. The shop, with a history of about 70 years, was rebuilt after being swept away by the 2011 tsunami.

http://the-japan-news.com/news/article/0001766602

私が気になった表現は見出しのwind-curedです。写真から推測するち、「風にさらされた、干された」という意味かと思いました。その後英和辞典を参照しましたが、wind-cured自体の意味が載っていなかったので、cureを引くことにいたしました。

『スーパーアンカー英和辞典』第4版(学研教育出版)でcureを引いてみると、「(塩漬け・乾燥などで)(食料)を保存する、貯蔵する」という意味がありました。原義は「注意、気づかい」(『英語語源辞典』、研究社)です。それが比ゆ的に転じて1665年に「保存処理をする」;食品などが適当な状態になる」(『英語語源辞典』、研究社)という意味が加わったそうです。『英語語源辞典』(研究社)によると、現在この原義は廃れてしまったそうです。

前にwindがありますので、「風乾する」ということでしょうか。燻製とともに使われる乾燥法のようです。ついでにLDOCE5でcureを引いてみますと、“to preserve food, tobacco etc by drying it, hanging in smoke, or covering it with salt”という定義がされていました。なるほど、「つるす」という行為も含意されているのですね。(Kawada)