常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

研究会のお知らせ

大学英語教育学会(JACET)談話行動研究会
題目: 「アジア系アメリカ人をめぐる教育言説と『タイガー・マザー』」
講師: 井口博充先生
ウィスコンシン大学マディソン校Ph.D.(教育社会学)。専門は、言語 ・文化・コミュニケーションの社会学。「他者」(文化的少数者)に対する社会的言説 の分析が主要な研究テーマ。現在、明治大学専修大学大東文化大学非常勤講師。)

日時 2014年11月22日(土)16:30〜18:00
場所 専修大学神田キャンパス5号館541室 (神保町・九段下)
http://www.senshu-u.ac.jp/univguide/profile/campus.html#map_kanda
予約: 不要
参加費: 無料
問合せ: 専修大学 岡田もえ子 moekoアットisc.senshu-u.ac.jp

<発表要旨>
私が、これまで関心を持ってきたのは、異文化(あるいはマイノリティ文化)に対するステレオタイプを社会との関係から読み解くことである。本発表では、近年のアメリカのアジア系の人々の教育に関する社会的な言説、モデル・マイノリティ言説について考察する。具体的には、近年アメリカでベスト・セラーとなった中国系アメリカ人2世のエイミー・チュアが書いた『タイガー・マザー』に現れる言説をモデル・マイノリティ言説の最も最近のバージョンの一つとしてとして位置付ける。そして、まず『タイガー・マザー』に現れる言説的特徴を検討する。次に、その言説が流通するアメリカ社会の社会的文脈、その言説の与える社会的効果を検討する。さらに『タイガー・マザー』言説がアメリカの人種政策や成功観など他の社会的言説とどのように関わっているのかについて、明らかにしていきたい。