常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

move up#2

世界経済フォーラムが開催されました。フォーラムでは競争優位報告書と呼ばれる,国の競争力を数値化したデータが公表されております。

 気になった単語は見出に出てくる"move up"です。『Wisdom英和辞典第三版(三省堂)』によると「程度[地位]が上がる,(値段が)上げる」などという意味がありました。イギリスのBBCニュースの記事なので自国のランクが上がったことを見出としております。個々の国の経済ではなく,全体を見てみると,北と南で経済状況の格差が大きいことが問題として取り上げられておりました。最初の文章には"move up"の言い換えとして"edge up"が用いられております。これまで何回かブログで取り上げられております。
edged up - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から
edge up - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から
意味は「小幅な上昇,少しづつ上がる」というものです。一方"move up"の方には特に「上昇」という方向性だけでその大きさについては表現できないようです。以上のことから見出しでは"move up"を用いることで,読者に「イギリス経済」が成長していることを強調させる狙いがあると考えました。その後本文で"edge up"を用いて詳細な情報を与えているのだと思います。抽象的な表現から具体的なものへと落としこんでいるのですね。
 記事には取り上げられておりませんでしたが,レポートを見ると日本は6位に位置しておりました。5位のドイツとのポイント差も0.02しかありません。今後も持続できるかはわかりませんが,日本経済は世界的に見ると強いということが分かります。(Ume)

World Economic Forum: UK moves up global economic list

The UK has edged up the global rankings in a major annual economic survey by the World Economic Forum (WEF).

Its Global Competitiveness Report sees the UK rise one spot to ninth on the list, while Switzerland and Singapore retain first and second place.

The US improved its competitiveness position for the second consecutive year, climbing two places to third.

But the WEF warns that the global economy's health is at risk, despite years of monetary stimulus and reforms.

Each year, the WEF, best known for its annual Davos economic meeting, benchmarks countries against 12 factors, including infrastructure, education and training, labour market efficiency, technological readiness and innovation.

http://www.bbc.com/news/business-29028714

move up - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

世界競争優位報告書(ランキング表はp.13)
http://www3.weforum.org/docs/WEF_GlobalCompetitivenessReport_2014-15.pdf