常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

研究会のお知らせ

JACET関東支部月例研究会(5月)

日時:2014年5月10日(土)16:00-17:20
場所:青山学院大学総研ビル(14号館)11F 第19会議室
内容:「言語能力とコミュニケーション能力の落差:コミュニケーションを成功に導く能力と
   は?」藤尾美佐(東洋大学
参加費:無料(事前申込不要)
問合せ先:JACET関東支部事務局 jacet-kanto-office@cl.aoyama.ac.jp

講演概要:
限られた言語能力でもコミュニケーションを上手くとれる学習者と、いわゆるproficiencyが高くてもコミュニケーション能力の低い学習者がいる。この差は何なのかを、昨年度、JACET学会賞(新人賞)を受賞した研究を基に講演する。この研究は、イギリスに1年間留学した大学院生3名の英語コミュニケーション能力の変化を、1)発話交替、2)英語能力(特に流暢性)、3)コミュニケーション方略の使用から分析したものである。データ収集にはmulti-methodを用い、イギリス人母語話者との会話データに加え、被験者のポスト・インタビューやジャーナルなど、多面的な分析を行っている。講演の中では、こうした研究手法や分析結果に加え、1)の発話交替の仕方(積極的な会話への参画)が母語話者・非母語話者間の関係にどのような影響を与えるか、2)の流暢性を阻む要因は何なのか、3)の方略使用とコミュニケーションの成否との関係、また、学習者から英語使用者になるために必要となる能力とは何かを考察し、最後に、クラスルームで実践できる具体的な指導法を提案する。

講演者略歴:
藤尾 美佐(東洋大学准教授)
東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻修士課程、博士課程修了。博士(学術)。専門は、英語教育と国際ビジネスコミュニケーション。現在、国際ビジネスコミュニケーション学会理事。主な著書に『Communication Strategies in Action: The Negotiation, Establishment, and Confirmation of Common Ground』(成美堂)(2013年度JACET学会賞(新人賞)受賞)、『Discourse Perspectives on Organizational Communication』(共著、Fairleigh Dickinson University Press)(2012年度ABC学会(Association for Business Communication)Distinguished Publication Award 受賞)など。