常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ゼミで学んだこと #25

 一年間のゼミを通して、最も大きく感じたことは自分自身の英語力の足りなさです。二年次に英語を学び教育の授業をしていた時には、どのように教えればいいのか、どういった授業にすればいいのかということばかり考えていました。しかしゼミの中で、良い授業をするための理論や技術のベースになってくるのが、内容であるということを学びました。 ゼミや合宿の中で、自分の話し方・授業を見て弱点を指摘してもらうことが多くなり今まで何となく出来ていたからと気にすることのなかった発音や、苦手だから、と避けていた文法などを改めて見直すようになりました。
 授業内での基本、注意すべきことややるべきことも、多く学ぶことが出来ました。初めて行った模擬授業を考えてみると、自分が一方的に話す時間が長く生徒が話せていない、教室の前に立ちっぱなしである、生徒に質問をして答えが返ってきても何も言葉が出ない、何を生徒に教えたいのかはっきりしていない、といった改善点が多くありました。授業構成では、まず一番に伝えたいテーマ・部分は何かということをはっきりさせ、授業を組み立てることが必要だと知りました。授業内では常に自分が何をしているのか、ということを考えながら動かなければいけない、ということを意識していきたいです。いきなり授業内容から始めるのではなく自分自身の体験など、生徒が入りやすいものから入っていくエピソード導入は実際の授業を通して生徒の興味を引くためにとても効果的だと実感しました。授業をつくる中で大切になってくるIRFに関しても学びました。三つの中でも、特に自分が苦手だと感じたのはFollow-upでした。生徒に質問を投げかけ答えが返ってきたときに、 “OK.” や “Good.” という反応しか出来ず、惜しい答えや的外れな答えに対してのFollow-upが出来ていませんでした。 “Good try.” などの言葉が自分の中に足りないことを感じ、改善していく必要があると考えました。また、ゼミ内で何度も繰り返し教えて頂いたのは机間巡視です。実際に自分が生徒側の時に机間巡視があると、「先生に質問しやすい」「先生がしっかりチェックしてくれている」といった印象を受け、逆にそれがないと「わからなくても聞きにくい」「先生が遠い」といった印象を受けました。話し方については、主に大きさ・速さの二点を使いながら教師は生徒に向かって演じるよう話すことを学びました。最初から最後まで同じ声の大きさ・同じトーンで話していても生徒は聞く気にならず、内容も頭に入ってきません。模擬授業のフィードバックで「声が単調で眠くなってしまう」「抑揚がなくテンポが良くない」という意見をもらうことが多かったため、これから模擬授業をしていくなかで気を付けていきたいです。話しているときの目線は扇風機のようにクラス全体に向いていなければいけないということも何度も指摘されてしまうことがあったので、改善していきたいと思います。話し方に加え、生徒への発問の仕方でも学ぶことが多かったです。個人ではなくまずは教室全体に発問すること、上からの目線にならないような質問をすること、教師自身がしっかりと答えられる質問であることを考えることが必要なのだと学びました。また、プリント等での質問も最初から難しい質問ではなく、Yes/Noの易しい質問から5W1Hの難しい質問へと、生徒の目線からの発問を心がけなければいけないことも知り、意識しながら補助教材を作っていきたいです。
板書では、教室最後列の生徒にまで見える字の大きさ、生徒のノートを意識した黒板づくり、一つ一つの文字の形といったことや、カードを使った効率的な板書の仕方などを学びました。何度か模擬授業をしていくうちに、他の授業の中でもゼミのメンバー同士でピリオドの書き方・カッコの使い方等を常に意識していくことが出来ました。また、毎授業で行った様々なwarm-upでは、自分の授業で真似して取り入れたいと感じるものが多かったです。一人通訳や、風船を使ったアクティビティ、英語を使ったしりとり等は中学生でも高校生でも楽しみながら英語力をつけていけるものだと感じました。
一年間を通し、授業に関することのみでなく自分の英語そのものに関して、見直すべきことが多いと感じるようになりました。自分が今まで正しい英語だと思い使っていたもの、例えば「もちろん。」という意味で使えると思っていた “Of course.” には否定の意味があったり、 「種類の〜」という意味しかないと思っていた“kind of~ ” は文句を言う時にも使われたり、といったものが多く驚きました。中学校英語で学んできた “My name is…” や “~ years old” “when I was a junior high school students…” といった英語はネイティブの使用頻度を考えなければならないということを知りました。先日、ニュース番組でも 堅い、公式の“My name is…” は友達同士のあいさつでは浮いてしまうという内容が取り扱われており、その中で「現場の教師に任せている」といった文部科学省の回答、教科書の内容もまちまちであるという現状がありました。その中で教師を目指すには、やはり生徒に正しく使っていける英語を教えることの出来る英語力が必要なのだということを再認識しました。
また公式な場面、インタビュー等での話し方についても教えて頂く機会がありました。意識せずに “Yeah.”という答え方が出てしまうことがあったり、 “I think…” ばかりを使ってしまったりと基本的なことが出来ていないということを考えさせられました。答える際に常に尻上がりのイントネーションになり、それが「その後に何か続く」という意味を持たせてしまう、など今までに知らなかったことも多く指摘されました。また話している途中で詰まってしまい何も話せなくなってしまうことが多かったのですが “you know…” “like…” “um…”といったものを有効に使うことが出来る、と学びました。
教員採用試験まで一年もありませんが、この一年のゼミで学んだことを常に心に置きながら過ごしていきたいです。合宿等でお話して下さった先輩方、ゼミ内のお話で伺った先輩方の英語力に驚くことが多く、またお話を通し努力は必ず結果が出てくるということを感じました。四年次ゼミで、自分の英語・授業のレベルを上げていけるよう、三年次ゼミで理解した自分の弱点を考えながら英語と向かい合っていきたいです。(Paddy Filed Village)