常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ゼミで学んだこと #19

1.初めに
 本論では4年次ゼミ活動を振り返り、自身が学んだことを再確認する。4年次のゼミ活動において、前期では教育実習に向け、模擬授業を通して、生徒に教授する際のポイント、注意点を確認するとともに、お互いに自分の行う授業を評価しあい、授業の質の向上に努めた。夏季休暇のゼミ合宿ではゲスト講師を招き、教授を受けると同時に、英語力向上と、自身の進む道を考える機会を頂いた。後期では教育実習にて学んだ現場の知識を分析するとともに、今後教育者として学ばなければならない知識を学習していった。
 上記の3つの期間において共通して自身が学んだことは、「英語の教育者としてある前に、英語の探究者であり続けなければならないこと」、「自身がまだその入り口で留まっていること」、「教養としての英語ではなく、文化を取り入れた実用できる英語の必要性」の3つである。
 以下では前期、後期のそれぞれにおいて、自身が学び、感じたことをまとめていく。

2.教育実習における授業の実践において
 2013年、6月に神奈川県の県立高校にて、大学のゼミにて準備し、教育実習を行い、その中で得た経験をもとに考察した内容をまとめる。
 まず、準備段階にて模擬授業を行い、ここでゼミ生の評価や先生の評価を頂いた。自身が今まで行ってきた模擬授業と同様の授業を組み立てたが、この時点では粗い部分が多く、反省点を多く得ることが出来た。iやtの書き方、発音、英語のみの授業で注意する点の多くが抜けており、教育実習に向けての指導案の練り直しができた。
教育実習で最も興味深かったものは、生徒たちの英語学習に対する認識である。生徒200人ほどに行ったアンケートにおいて、「英語が好きかどうか」、「何のために英語を学んでいるのか」という2点を調査した。その結果多くの生徒が英語を「受験のため」として認識していた。進学校ということもあってか生徒の多くは進学意識が高く、そのための科目の一つとして英語を認識しており、会話表現やAll Englishの授業に対する意欲はあまり高くなかった。このように言語として活用する授業を普段経験していない生徒たちにとって、言語として実践する授業は戸惑いの多いものである。しかしそれと同時に新鮮な授業でもあり、最終的には意欲を見せてくれた。
前期の活動を通して考察したものが、教養としての英語と言語としての英語の違いである。高校から大学を通して学んできた英語は、教養としての英語のほんの一部分であり、言語として利用する英語に至っては、まだ活用できる段階でないことが思い知らされた。現在英語を学んでいる生徒たちも、受験を前にして、教養を深めることに夢中になり、日常に英語を取り組むことが少ない事実を知ることとなった。自身の英語学習者としての位置、学生たちの位置、両方に深く考えさせられる前期の活動であった。

3.後期におけるゼミ活動において
 後期では英語教員になる前に学んでおかなければならない知識、心構え等を教授して頂いた。単語、文章の記憶法から、文章理解の方法、発話訓練、聞き取り訓練と様々であったが、そのどれもが自身の今までの勉強では触れていないものばかりであった。記憶法に関しては現在、英単語、文法の他にも、航空会社の航空コード、都市コードの記憶に役立たせていただいている。
 しかし、そのどれにおいても、自分が英語文化に対しいかに無知であるかを考えさせられた。今までは人々の文化や生活が英語の考え方、文法などにどれだけ反映されているのかを知らず、ただ公式のように英語を利用してきた。勉強とは違い、なぜそのように考え、発話に移すのかを学ぶ必要があり、 それと同時に、日本語を根本から理解しなおす必要を感じた。英語圏の文化と日本語の文化の対比が自身の中でしっかりと理解されていなければ、母語第二言語の通訳などの理解はできないものであると感じた。論理の立て方を位置から学び直し、英語圏の文化を知り、日本の文化を知り、探究し続けることでようやく、英語とはどんな言語で、どのように使うかの理解ができるのではと考えさせられた。
事実、私に海外経験は無く、書物や在日の外国人の話から得たほんの一部の知識が私の海外文化についてのすべてである。そのうちのいくつが教育者として教壇に立つ際に役立てることが出来るだろうか。現在、塾講師として英語を受け持たせていただいている。その中で私の数少ない知識でも生徒の興味を集め、英語の楽しみに夢中にできる瞬間がある。しかし同時に、すべての授業をその状態にするためにはまだ経験が足りなすぎることも実感した。
後期の授業は自身にとって新鮮なもので驚きの連続であった。それは自身の勉強不足を示すものであったが、それと同時に自分が英語にどのように向き合わねばならないかを再確認させてくれるものであった。
自分が英語教育者となる前に、英語学習者の未熟者であることを実感し、それに合わせて、英語文化への興味を高めることが出来た。自分が常に新しくなる文化と言語を学習し続け、その知識を学生へと伝えることが重要であると感じた。

4.ゼミを通して、今後の進路と自己評価
 ゼミを通して、私自身が学んだことは「英語の教育者としてある前に、英語の探究者であり続けなければならないこと」、「自身がまだその入り口で留まっていること」、「教養としての英語ではなく、文化を取り入れた実用できる英語の必要性」である。
 私の今後の進路としては、旅行企業への就職であるが、この4年間とゼミで学んだことを活かすためにも英語文化への理解を深めていかなければならない。そして、旅行という分野から教育者として春から活躍していく友人たちにできるサポートの一つとしてスタディツアーの企画、営業を考えている。できるだけ多くの子供たちに対し、海外に対しての興味、理解を深めるきっかけを増やしていくことを当面の目標としていく。(Red Milestone)