常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

関甲信英語教育学会での発表を終えて

こんにちは。It has been a long time!
まず、ご報告が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。
家庭の都合で群馬と千葉を北奔南走(?)しておりました。

先週末、松本歯科大学で開催された関甲信英語教育学会(KATE)にて、学会発表を行ってまいりました。
これまで現場で指導にあたってきた経験から、授業において教師が文法指導を説明する際の英語発音が、生徒の発音習得に影響を与えているのではないかという観点から実施したパイロットスタディを報告しました。

実験結果を簡単にご説明いたしますと、 has beenのbeenや接続詞のthatといった機能語の発音をpraatという音声分析ソフトを用いて解析したところ、高校生やそれを指導する日本人英語教師はnative speakersよりも、その部分を強く、長く発音する傾向が高いことが明らかになりました。

リサーチデザインが不十分であるパイロットスタディでしたので、実験によって示されたデータから断言のできる考察をこの場でお伝えすることはまだできません。
しかし、実験を通じて、たとえ直接的な音読指導ではない語彙や文法の指導の際であれ、特に機能語を弱く、短く発音することを教える側が強く意識して指導にあたることが大切であることを再認識させられました。

発表に関して、論理的な構成ができていなかったり、統計処理を行っていなかったりと、UG先生から事前にご指摘を受けた箇所については、多くのオーディエンスからもれなく厳しいご意見をいただきました。

最後に、体調が優れない中、発表の1時間前(前代未聞)まで発表原稿作成のために有意義なアドバイスをくださったUG先生、加えて土壇場の忙しいところを嫌な顔をせずお付き合いしてくださったGPさんに対してこの場をお借りして感謝申し上げます。
また、Shou-VR*さん、Hatahataさんにも夏休みの貴重な時間を使って実験結果の集計にお手伝いいただきました。ありがとうございました。(Sy)