常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

研究会のお知らせ

「通訳教育・指導法研究プロジェクト 2012年度第2回研究会」の会合を以下の要領で開催します。この会合は、無料で非会員にも公開します。事前の登録も不要です。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

日時:2013年6月23日(日曜日)13:30〜16:30 
会場:愛知学院大学(日進キャンパス) 3号館5階 3509教室
交通アクセス http://www.agu.ac.jp/access.html

(1) 発表者:稲生衣代(青山学院大学) ※敬称略
題目「スピーチ教材を使った通訳入門クラス」
要旨:「わが国の大学・大学院における通訳教育の実態調査」(2005)において、大学で通訳クラスを担当する教員の過半数が、特定のテキストを使用していないことが明らかになった。教員が授業に臨むにあたり、独自に用意した教材を使用する事例が多いと思われる。本発表では、通訳クラスの素材として求められる主要な条件を満たすコンテンツからなるTEDのサイトを使用した大学の通訳入門クラスについて考察する。

(2) 発表者:鎌倉義士(愛知大学
題目「TOEIC500点台の学生への通訳法指導−英語力向上のメソッドとしての通訳養成法」
要旨:発表者は2007年より愛知大学国際コミュニケーション学部にて日英通訳法の授業を担当している。その授業を選択する学生は、英語を専門とする学生を含めTOEIC500点から600点のスコアの実力を持つものが中心となる。通訳養成法の実践は対象者に高度な英語運用能力が必要とされる一方、上級者のみならず、初級・中級者の運用能力を向上させる目的にも活用可能であると考える。本発表では、実践報告の形式で授業内の取り組みを紹介し、学生の第二言語での理解と産出を向上させるために、通訳法の指導がどのように活用できるのかを考察する。

(3) 発表者:中村幸子(愛知学院大学
題目「ヨーロッパ言語共通参照枠 (CEFR) と通訳翻訳教育の接点―言語教育観・社会観・人間観を中心に―」
要旨:CEFRはCouncil of Europe (欧州評議会)が「ヨーロッパの言語教育のシラバス、カリキュラムのガイドライン、試験、教科書等々の向上のための一般的基盤を与える (p.1)」ために策定した言語政策である。本発表では、CEFRそのものの紹介ではなく、CEFRの根幹をなす理念である複言語主義 (plurilingualism) や複文化主義 (pluriculturalism)といった考え方や、部分的資格認定(partial qualifications)の容認といった考え方に代表されるCEFRの特徴的な言語教育観とわれわれが大学レベルでの通訳翻訳教育において目指す方向性との接点を考察する。参加者には予め、インターネット上に公開されている日本語版に目を通しておいて頂くことをお勧めする。 
日本語版: http://www.dokkyo.net/~daf-kurs/library/CEFR_juhan.pdf#search='CEFR+%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E8%A8%B3'

16:30 終了  ※終了後藤が丘付近にて茶話会(参加自由)予定。

問い合わせ先:中村幸子 (nakamusdpc.agu.ac.jp)