常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

a toss-up #2

UG先生も取り上げておられましたが(http://d.hatena.ne.jp/A30/20130223/1361602880)、Match Play Championshipについての記事を取り上げたいと思います。


More top seeds tumbled out of the Match Play Championship on Friday, making the word “upset” more a description of the mood of the losers than any shock at the results in golf’s most unpredictable tournament.


http://www.japantimes.co.jp/sports/2013/02/24/more-sports/watson-only-top-seed-left/


ここで”upset”と書かれているように、この試合では予想もしないような「どんでん返し」がたくさんあったようです。UG先生はbig gunsを「大番狂わせ」という意味で取り上げておられました。これは、タイガーやマキロイが初戦敗退という結果になってしまったというところからもわかると思います。しかし、この試合は普通の試合のスタイルとは少し違います。ゴルフの試合は主に「ストロークプレー」が中心なのですが、この試合は「マッチプレー」で行われています。マッチプレーとは、簡単に言えば1対1で直接相手と戦う方法です(今回の場合。2対2のマッチプレーもあります)。1ホールごとに勝敗をつけるため、普通のストロークプレーとは違い、あるホールで大叩きしても勝てる可能性は十分にあります。さらに、必ずしもストロークプレーが得意な人が勝つとは限らず、大番狂わせや大どんでん返しが起こりやすい競技方法であるといえます。マッチプレーのおもしろさはそこにあるのでしょうね。


“This game . . . it’s a toss-up,” Watson said after going 22 holes to beat Jim Furyk. “You can’t really judge who’s going to win, or bet who’s going to win.”


去年マスターズで優勝し、この試合に出場したBubba Watsonがa toss-upというのも無理はありません。toss upだけだと「(料理など)を急いで用意する」などの意味もありますが(『ジーニアス英和辞典 第4版』大修館)、a toss‐upで「五分五分の見込み」という意味があります。つまり、マッチプレーは、ストロークプレーでの賞金ランキングなどが関係なく、「勝つか負けるかは五分五分」でわからない、ということを選手も痛感しているようです。


このupset とa toss-upの表現は、以前先輩方が取り上げておられますので、こちらもご参照ください。(Haramii)

http://d.hatena.ne.jp/A30/20120124/1327375809
http://d.hatena.ne.jp/A30/20111102/1320243850