常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ご指名質問:For whose bony hand is that resting on the sacks in the back of the sleigh?

興味深い記事でした!UG先生ありがとうございます。さて、以下の文章は我々になにを伝えているのでしょうか。

For whose bony hand is that resting on the sacks in the back of the sleigh? Which gaunt figure has eschewed traditional Christmas costume for a long black cowl? Is that a scythe I can see peeping out among the presents?

ここから想起されるイメージは、DeathつまりGrim Reaperでしょう(死神)。キーワードは、bony hand, a black cowl, そしてscytheです。このDeathは、その他にもscytheやSkeltonなどでイメージされます。これらは人の死という西洋にとっての普遍的なイメージを擬人化したものです。

なぜscytheを持っているのかについては、諸説があるようですが、私の知っているものは、麦の刈取りからくるイメージで、麦が成熟し枯れて土に還ることを人間の死に当てはめているということです。だから「恐ろしい収穫者」なのだ、と以前何かの本で読みました(タイトルを思い出せません。すみません)。

面白いのは、Santa ClauseとGrim Reaperの相反する人物が一緒のfigureで表されていることです。つまり、一方で幸せを運ぶ人物、もう一方では幸せを刈り取る人物という対比が興味をそそります。そういった意味合いでeschewが使われている文やその前後の箇所は面白いと感じました。(Othello)


追記

eschew A for Bについてです。eschewは「避ける」という意味です。特に良くないことなどを控える時に使う表現です。しばしばavoidに言い換えられます。なので「BのためにAを控える」や「Bを考慮してAを捨てる」などの意味で解釈できます。