常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

研究例会のお知らせ

日本メディア英語学会東日本地区第85回研究例会

日時:2012年12月8日(土)14:00-17:00
会場:東京都市大学横浜キャンパス31D教室
    横浜市営地下鉄中川駅」下車。徒歩約5分。
    http://www.yc.tcu.ac.jp/access/index.html
会費:会員・学生 無料(非会員500円・予約不要)

第1部:研究発表(14:00-15:15):生田祐子氏
タイトル:「欧州多言語主義とリンガフランカとしての英語—学際的研究からの考察—」
プロフィール:文教大学国際学部国際理解学科教授 (1995年に着任)。専門領域は、英語コミュニケーション論、社会言語学コロンビア大学教育大学院(TC) MA in TESOL(修士)、 EdM in Applied Linguistics(教育学修士)、2010-2011年ロンドン大学教育研究所博士課程にて在外研究。
要旨:欧州連合(EU)は、加盟国の23言語をすべて公用語と採用し、共通言語を決めずに多言語を共通の規範としている社会である。多言語主義 (Multilingualism)を理念として掲げ、複言語主義 (Plurilingualism)を政策として推進し、複数の言語を身につけることを促進している。一方、欧州と周辺地域では英語話者が加速度的に増大している。多言語主義と英語話者の拡大、一見矛盾しているように見える現象を「リンガフランカとしての英語」の視点から捉え、多民族共存、国際理解を目指した言語教育のあり方を考察する。

第2部:講演(15:30-16:45):桧 誠司氏
タイトル:私的「英語ニュース翻訳論」
プロフィール:国内の通信社に約20年間勤務し、国際経済の分野を主な守備範囲に取材、記事の執筆、英語ニュースの翻訳などに携わる。92−96年までニューヨーク総局で経済担当の特派員として自動車、ハイテクなどの業界を取材。96年に米系の通信社に移籍し、現在は英語ニュースの翻訳班でエディター兼翻訳を担当。

要旨:通信社とは何か? 英語ではnews agency, wire serviceとも言うが、新聞社との最大の違いは「極度の速報性」が求められることではないだろうか。速報とは文字
通り速く報道すること。読者に速報としてとりあえず伝える1行のニュースを業界用語でフラッシュと言うが、同業他社よりも速くフラッシュを配信する競争が毎日、世界中で展開されている。重大ニュースに接したらそのフラッシュの処理作業は、1分、10秒単位ではなく、数秒単位での速さが要求される。こうした速報マインド(sense of urgency)は、取材し、記事にする通常の報道だけではなく、英語ニュースの翻訳に携わる者も持たなければならない。あまり知られてはいない英語ニュースの翻訳現場の実態を説明したいと思います。

連絡先:藤牧 新(東海大学外国語教育センター、fujimakiarataあっとgmail.com