常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ご指名質問:still at it

UG先生のご指名質問にお応えしたいと思います。お題は次のstill at itです。

           

結論から言えば、ここでのstill at itは意訳で「まだまだ頑張る」と捉えることができ、ここでは「まだ盛んに政治活動を続ける」という意味です。

リーダーズ英和辞典』では、atの項目で「盛んに(仕事[運動、けんか]を)やって、精を出して」とあります。また、「精を出す」ということに関連して、“keep at it!”と言えば「頑張れ!」という意味になるのは有名でしょう。

記事ではstillになっていますが、ほかの辞書では、be at it againのかたちで載っています。例えば、『ジーニアス英和辞書』ですと、be at itで「《略式》[しばしばagainを伴って]けんか[いたずらなど]をしている」とあります。LDOCEですと“if you say that someone is at it again, you mean that they are doing something you disapprove of, which they have done before”という形で載っています。

最後に確認の為、Swan(2005)のPractical English Usage 3rd Ed.でstillを調べてみますと、“something has, perhaps surprisingly, not finished”とあります。

以上を踏まえると、これまで政治活動で議論の対象になったり、発言が取り沙汰されたりしている。石原慎太郎氏が、「まだまだ精力的に政治活動を続ける」という意味を含めてstill at itという表現が使われていることがわかります。(OTHELLO)