常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

『解釈につよくなるための英文50』ご紹介

         
行方昭夫先生(東京大学東洋学園大 両名誉教授)から新刊をいただきました。『解釈につよくなるための英文50』(岩波ジュニア新書)は、先生による「50シリーズ」(?)の第二弾です。
大学入試に頻出される50の英文を読みながら、英文解釈の楽しみをジュニア世代に覚えてもらおうと編まれた本書は、「全体の流れをつかもう」(第1章)、省略と割り込みを見抜け!(第2章)、「英文の雰囲気を日本語に」(第3章)、「知らない単語が出てきたらどうする?」(第4章)に分かれ、それぞれに先生独自の経験に基づく適切なアドバイスが満載。
私も読みながら、「えっ、これって通訳法でやっている解釈法と一緒じゃん!」と不慣れな(横)浜弁がつい口をついて出る程でした。
冗談はともかくも、私が通訳法でこれまでやってきた「通訳訳出法」の「キル、フクラマシ、オキカエ」などの手法と第2章で書かれていることや、第3章でのこなれた日本語が同じく通訳法で扱っている「こなれ訳」と随分、だぶっていて、不思議な思いにとらわれました。結局は英文の真髄をつかみとるためには行き着くところは同じなのですね。
深く、ゆえに楽しい英文解釈のコツが平易な文で綴られた本書は中学生〜高校生のみならず、英語教師にもおススメです。(UG)