常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

on the works outing to Weston-super-Mare(回答)

ご指名質問に回答させていただきます。質問内容は以下の英文の赤文字箇所の意味です。
This story would never have been written if I hadn't become pregnant. Mind you, I had always planned to lose my virginity on the works outing to Weston-super-Mare, just not to that particular man.(http://d.hatena.ne.jp/A30/
この英文はJeffrey ArcherのOnly Time Will TellのPreludeの一部ですが,まずこの作品の時代である第一次世界大戦頃のイギリスの様子がつかめないと,英文の内容も理解できません。そこで,第一次世界大戦頃のイギリスの様子について扱っているWebsiteを色々調べて推測できる範囲の見解を,ここでの回答とさせていただきます。
まずこの作品の時代である第一次世界大戦頃のイギリスの様子ですが,THE GREAT WARというサイトにあるWith the armistice of November 11, 1918, the war was over, however, the world could not return to the way it was - to what was 'normal.'から分かるように,普通ではなかった,言い換えると混沌とし,不安定だったのです。ここから当時の国民の生活水準は決して高くはなかったと考えられます。
http://www.pbs.org/greatwar/chapters/ch4_overview.html

そんな時代に活躍した場所が,Weston-super-Mareです。Weblio英和辞典によるとA seaside resort town on the Bristol Channel coast of North Somersetとあり,ブリストルにある海際のリゾート都市であることが分かりますが,Weston-super-Mareというサイトによると,第一次世界大戦時はWeston played an active role in the First World War.とあるように,イギリスにとって重要な役割を担っており,1920年代から30年代にかけてはThe 1920s and 1930s saw a lot more development.とあるように,さらなる発展を遂げました。さらに,Large numbers of soldiers were billeted in Weston for training prior to being posted, as the beach was used for training exercises in digging trenches.とあることから,多くの兵士がいたことがうかがえます。以上から,当時のWeston-super-Mareはイギリスの中心の一部で,多くのお金が集まっていたと考えられます。
http://weston-super-mare.com/newhistory/newhistory.html
このような背景があると, on the works outing to Weston-super-Mareは「都市から少し離れたWeston-super-Mareへの小旅行で」という意味で解釈をすることができます。on the worksのworkには「work は努力して行なう肉体的・精神的な仕事」というニュアンスがあります。outingは「小旅行」という意味があるので,Weston-super-Mareが少し都市部から離れていることを表しています(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。この解釈はあくまでも一つの推測です。何かほかにコメントがいただけたらありがたいです。(Sugiuchi)