常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

追放したのは紙ではなく,考えることだ(英訳)

9月14日に本ブログで紹介した社説の英訳が載っていました。
http://d.hatena.ne.jp/A30/20110914/1316000089

青でマーカーされている箇所の日本語訳は「〜という発覚の経緯に首をひねったばかりである」です。ここで個人的に注目したのが,「首をひねった」の訳にI was baffledが使われていたことです。
baffleを辞書で引いてみると,「(人)をまごつかせる,困惑させる」という訳語があてられています(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。さらにbaffledという形容詞で捉えると,「全く理解できない」という意味が来ます(同上)。辞書の日本語訳からは「首をひねった」=be baffledは出てこないでしょう。対訳式の学びには,このような発見がありますね。(Sugiuchi)