常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

have a dry spell

Seattle Marinersイチロー選手。今年は10年連続の200本安打の達成が期待されていますが,前半戦は不振が続き,記録達成に早くも黄色信号が点灯しています。
In May, he batted .210. In early June, he had a dry spell for three consecutive games--the first time in four seasons. Misfortunes continued: He was left off the starting lineup card for a June 10 game against the Detroit Tigers. Never a chatty type with the media to begin with, Ichiro now often seemed full of tension and adopted a "leave-me-alone" vibe in the locker room after games.
http://www.asahi.com/english/TKY201107130363.html
今回の表現は“have a dry spell”です。皆さんもご存知のとおり,dryは「乾いた,水気のない」という意味を表します。spellは名詞で「期間,仕事」という意味があるため,全体を直訳すると「乾いた時期がある,経験する」となります。この訳だと意味が分かるようで分らないので,辞書で確認してみると「日照り続きの時期を過ごす」とありました(『ウィズダム英和辞典』第2版,三省堂)。また,ネットでもa dry spellを調べてみると「つらい[つきのない]時期を過ごす」とも記されています(英辞郎on the WEB)。日本語では打撃不振の選手に対し,「バットが湿っている」などと言いますが,英語ではa dry spellを使ってslumpの意味を表すことが出来るのですね。(gacha)