常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

学ぶこと―All the world’s a stage

今日は大学院の授業がありました。その授業の中で,UG先生はわたしや聴講している学生に対し,英語を学ぶ上での〈道しるべ〉を提示してくださいました。本日は,そのことを踏まえて,たいへんお恥しく思いますが,考えたことを少し書き記したいと思います。
英語を専攻する者ならば,(さまざまな意味合いを含んだ)英語学習に重きを置かなければならないのは普遍的な事実です。しかし,現状に甘んじて英語の修練を怠けている人が多くあります。わたしもそのひとりです。研究のデザインや論文執筆,そしていわゆる文学の聖典と呼ばれる作品を読んでいるだけで満足し――受け身だけの生半可な覚悟で――自分の英語力を磨く努力を怠っていました。先生のお話を聴くまで,わたしは甘えていたことに気付きませんでした。英語の教員志望であるにもかかわらずです。
現在のわたしは「忙しい」を言い訳に,いろいろな学びの機会から逃げていたように思います。毎日の音読,英字新聞や小説,詩,戯曲を読むことなどは,英語の血や肉となり,自分自身に返ってきます。そして,それらを使ってアウトプットするなど,自分を高めるチャンスから逃げていたのです。これは先日,先生もおっしゃっていましたが,立ち止まらず走り続けることが何よりも大切なのだ,と今改めて感じます。先生は,混淆としたわたしの頭の中に,英語学習におけるひとつの〈道しるべ〉を示して下さったのです。
授業の後,そのことについて考えていましたら,ある戯曲の一節が頭の中に浮かびました。わたしが学部3年生の時に読んだ戯曲からです。
All the world’s a stage,
And all the men and women merely players.
They have their exits and their entrances,
And one man in his time plays many parts,
His acts being seven ages.
(As You Like It, 2.7. 139-143.)
この世はひとつの舞台,
どんな男も女も純粋に役を演じているのだ。
みんなそれぞれに退場と登場があり,
人はその時々にいろいろな役を演じる,
舞台とは歳に応じて7幕に分かれているんだ。
(『お気に召すまま』第2幕第7場139-143行,拙訳筆者)
わたしの役とは,英語学習者です。わたしは英語教育を専攻しています。将来は英語教師として食べて行こうと思っています。これから,英語を学ぶ者として,わたしの幕が下り,舞台が終わるまで英語学習者を演じ,学び続けたいと思います。きっと一生続くのでしょう。本日の授業では,英語を学ぶ上で,本当に大切なことを気付かせていただきました。今日は,その役をもう一度演じるための第一歩です。(Othello)