常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

gold digger

本日は,イングランド大衆紙 Mirrorから英語表現を拾います。記事には――私を含め男性には驚き!――「55%の男はお金目当てで結婚する」と書かれています。
Would you marry for money?
MORE than half of men are prepared to marry a woman for money even if she is old, ugly or dull.Experts say male gold diggers are a result of the economic crisis and high-earning career women.
http://www.mirror.co.uk/advice/money/2011/06/28/55-of-men-would-marry-for-money-115875-23231407/#ixzz1RQ7mCtZK
さて,本文のgold diggerとは何のことでしょう。おそらく1848年アメリカのカリフォルニアにて金鉱が発見され,金を採掘する労働者から来た言葉でしょう。『新英和大辞典』(第4版,研究社)には「1.金鉱探し,探金者;黄金狂」などとあります。しかし,ここではそのような意味では通じませんから,辞典に記載されたもう一つの意味「《米俗》男をたらし込んで金を巻き上げる女」(同上)の意味で使われていると考えられます。
ここで確認したいのは,本文におけるgold diggerは,女性に向けられたことばなので,わざわざmale(男性)と補っている点です。さらに,本文の内容に合わせて読むと,お金を持っているのは女性ですから,gold(金)をdig(探し求めることを)するのは,ここでは男性ですね。ここからお金のために結婚をするズルい男を想像することができます。お金のために結婚するなんてロマンのかけらもありません。いわゆる「逆玉の輿」を狙っているのです。
最後に,gold diggerは何年か前のヒット曲にもあります。
http://www.youtube.com/watch?v=6vwNcNOTVzY
こちらの歌では,辞書の通りの女のgold diggerがテーマになっています。映画『レイ』でもレイ・チャールズを演じたジェイミー・フォックスが良い味を出しています。(Othello)