常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

curl up

電子版Daily Mail の “Computers are 'wrecking children's reading skills as they abandon library books'” という記事で,子供のパソコンの使用は,読書力を下げるということが警告されています。その記事から英語表現をひとつ拾いたいと思います。
Researchers added that reading off the screen did not help children's to develop their reading ability in the same way as curling up with a book. They also noted reading of printed media has fallen among adults.
http://www.dailymail.co.uk/health/article-1390365/Computers-home-wrecking-childrens-reading-skills-age-nine.html#ixzz1NHRV1A7T
curl up with a bookとはどのような状態のことでしょうか。まず,curl upを辞書で引いてみると「(vi)丸くなってすわる,縮こまる; 〈…に〉寄り添う〈with〉」(『リーダーズ英和辞典』第2版,研究社)とありました。さらに Oxford Elementary Learner’s Dictionaryによると“put your arms, legs and head close to your body”とあり,LODCEでは “to move so that you are lying or sitting with your arms and legs bent close to your body”とありました。ここでは,五体が体の中心に向けて曲げられていることだと考えられます。
しかし,「本をもって体を丸める」では意味が通じませんので,少し視点を変えて考えてみると,子供が腰を曲げて机によりかかる(寄り添う)ように熱中して本を読む姿,を想像することができます。別の辞書ではcurl upの例文に“The cat curled up in his lap”(猫は彼の膝に丸くなって寝ていた)(『ランダムハウス英和大辞典』第2版,小学館)などありますが,本文の太文字箇所は,「(熱心に)読書に耽る」などと訳せると考えられます。
このようなパソコンと読書の関係については,日本でも異口同音に主張されていますね。とくに読書と思考力の関係はメディアでも多く取り上げられています。私の通っていた高校の朝読書の習慣もその影響の一端にあると考えられます。
最後に,先日,新書ではありますが,心が揺さぶられる書籍に出会いました。いつかここでご紹介できたらな,と思います。(Othello)