常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

pub crawl

飲酒と長期記憶には何らかの関係があるようです。電子版Daily Mailの”Why binge drinking makes you forgetful - it damages your ability to lay down long-term memories”というタイトルの記事がそのことについて取り上げています。今回はその中から飲酒にまつわる表現を拾います。
Students who enjoy regular pub crawls are putting their long-term memory at risk, scientists warn.(中略)
Scientists from Universidade de Santiago de Compostela in Spain found heavy drinking had a detrimental effect on students' declarative memory.
http://www.dailymail.co.uk/health/article-1387919/Alcohol-Heavy-drinking-university-damages-long-term-memory.html
pub crawlとは何のことでしょうか。少し想像力を働かせてみると,友人に肩を抱いて支えられながらパブから赤い顔をして出てくる人を想像することができました。そこで,『ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)で意味を確認してみると,「《英略式》はしご酒(をする)」とありました。crawlに「1はう,はって歩く 2こそこそ歩く」(『新英和大辞典』第4版,研究社)や“a very slow speed” (LEOCD)など歩みの遅いイメージがありますから,かなり酔っ払った印象を受けます。よって上記の英文の一部は,「定期的にはしごをする学生は,長期記憶を危険な状態にさせる,と科学者は危惧する」などと訳せると思います。
ちなみに,強調箇所のdeclarative memoryとは「宣言的記憶」と訳され,長期記憶のなかで言語経験,知覚,アイディア,知識,考えなどが貯蓄されるもののことです。
これからビールがおいしい季節になりますが,多量の飲酒は避けたいものです。(Othello