常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

premise

菅直人首相は,今月26,27日に開かれる主要8か国首脳会議で「安全性を高めた上での原子力発電の利用継続」を表明する意向のようです。以下はDY(05/15/11付け)の"Kan to pledge continued use of N-power / Go-ahead based on better safety"という記事から一部引用です。

Prime Minister Naoto Kan will declare at the forthcoming Group of Eight summit meeting Japan's intention to continue utilizing nuclear power, based on the premise of enhancing the safety of nuclear power plants, The Yomiuri Shimbun learned Saturday.

今回はpremiseという語に注目し,意味と語源について考えます。

まず,意味に関してです。この語は「前」を表す接頭辞のpre-があり,また文脈も考えると「前提」という意味になるのではないかと私は予想しました。確認のため『ジーニアス英和辞典』(第3版,大修館書店)をひくと,「〔…という〕前提,仮定」とありました。よって訳は「原発の安全性を高めることを前提にして」となります。

次に,語源に関してです。語源辞典(スペースアルク)には次のようにありました。
[語源] pre-(前に)+L.mittere(送る) = 前に置く、前もって置かれた
【語根】mit-, miss-
【語根の基のラテン語(L.)・ギリシア語(Gk.)】L.mittere = send(送る)、 let go、throw(投げる)

余談ですが,premiseは名詞と動詞(前提とする)のスペルが同じです。しかし発音はそれぞれ/premis/(名詞),/primaiz/(動詞)と異なります(『ジーニアス英和辞典』同上)。高校生の頃,「名前動後」の法則として教わったことを思い出しました。今回の記事では名詞として使われているので,発音する際は前にアクセントがあるということに注意しなければなりませんね。(ゼミ生 pear