常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

revengeとavenge

今回はReuters電子版(05/13/11付け)とYahoo! news(05/13/11付け)の記事の表題から英語表現を拾います。記事の内容はオサマ・ビンラディン氏の敵討ちのための自爆テロについてです。まずは以下の文章をご覧ください。

Bombers take bin Laden revenge in Pakistan

http://www.reuters.com/article/2011/05/13/us-binladen-idUSTRE7410D320110513

Pakistan suicide bombs kill 80 to avenge bin Laden

http://news.yahoo.com/s/ap/20110513/ap_on_re_as/as_pakistan

今回注目するのはrevengeとavengeです。両者に違いはあるのでしょうか。辞書によると,revengeは「〔人への/事に対する〕復讐,仕返し,遺恨とあります(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。またLDOCEにはto punish someone who has done something to harm you or someone elseとあります。次にavengeですが,「<事の>復讐をする,仕返しをする」とあります(『ジーニアス英和辞典』同上)。そしてLDOCEにはto do something to hurt or punish someone because they have harmed or offended youとあります。両者の意味に大きな違いはなさそうですが,最後に語法に注目してみます。『ジーニアス英和辞典』(同上)には「avenge him(彼に仕返しをする)のように仕返しの対象を直接目的語にとることはできない(revengeは可能)」とありました。

補足として,revengeの語義に注目します。revengeには「【原義】: 再び(re)正当性を実証する(venge)」とあります。vengeの派生語としてvengeance(復讐,仇討ち)やvindicate(正当さを立証する)などがあげられます(『ジーニアス英和辞典』同上)。単語の意味だけを覚えていても使えないことを再認識しました。(ゼミ生 Lbow-Shoulder)